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IELTS(International English Language Testing System)は、世界中の大学や機関において英語能力の主要な判断基準として使用される試験です。
多くの人がIELTSの名前は耳にしているものの、スコアシステムや具体的な英語力のレベルについてはあまり知られていないのが実情です。
ここでは、IELTSの各スコアが示す英語力のレベルについて詳細に解説し、海外留学を目指す方にとって重要なスコアの目安や最低基準についても紹介します。
IELTSは合否の判定ではなくスコアで評価されるため、各スコアがどのような英語力を意味しているのか理解することが重要です。
さらに、IELTSスコアと他の英語試験との換算方法も含めてより具体的に解説し、留学先の大学や専門学校に必要なスコアを設定する際の基準についても取り上げます。
この記事を通じて、IELTSのスコアシステムを深く理解し、自分の英語力の目標設定の参考にしてください。
- IELTSとは
- バンドスコアとは
- バンドスコア1〜9段階のレベル
- 採点方法
- 国・大学別留学で求められるIELTSスコア
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目次
IELTS(アイエルツ)とは?
- 2つのモジュール
- 2つの試験方式
- 申し込み方法やキャンセル
- スコアの有効期限
IELTSは国際英語能力試験として知られ英語圏の多くの国や組織で英語能力の標準として位置づけられています。
学問・ビジネス・移住目的などさまざまな背景から受験されるIELTSには、2つの異なるモジュールが存在しています。
それぞれの特性や受験目的に応じて選択する必要があります。
IELTSとは?基本情報・受けるメリット・初心者がやるべきことを徹底解説
2つのモジュール
IELTS試験には「アカデミック・モジュール」と「ジェネラル・トレーニング・モジュール」という2つのテスト方式があります。
2つのテスト方式は受験者の目的や必要性に応じて選択するものです。
進学や専門的なキャリアを目指す者向けのアカデミックと、日常生活や実務を中心としたジェネラルトレーニングに分かれています。。
選択を誤ると希望の目的を達成できないため、受験前に十分な確認と理解が必要です。
アカデミック・モジュールの概要
アカデミック・モジュールは主に大学進学や専門職を目指す方のための試験形式です。
アカデミック・モジュールでは学術的なコンテキストやビジネスのシチュエーションを基にした問題が出題されます。
4つの技能、リーディング・ライティング・リスニング・スピーキングが試され、特にライティングとリーディングのセクションはアカデミックな内容が中心です。
ジェネラル・トレーニング・モジュールの概要
ジェネラル・トレーニング・モジュールは日常のコミュニケーション能力を重視した試験形式です。
移住を考えている人や日常生活での英語使用が中心の職種を目指す人に向けられています。
日常的なシチュエーションをベースにした問題が中心となり、4つの技能テストの中でもリーディングとライティングの内容がアカデミック・モジュールと異なります。
2つの試験方式
IELTSは受験者の希望に合わせて2つの異なる試験方式を提供しています。
パソコンを使用したコンピューター方式と伝統的なペーパー方式です。
試験内容自体はどちらの方式でも同じですが受験環境や試験のフローが異なるため、自分の得意な方式を選ぶことが推奨されます。
コンピューター方式
コンピューター方式では受験者はテストセンターのPCを使用して試験を受けます。
特にリスニングのセクションでは集中を深めるための専用ヘッドフォンが提供されます。
しかし、キーボード入力に慣れていない受験者には少々ハードルが高く感じられるかもしれません。
文字数カウントや編集が容易である点がメリットとして挙げられます。
試験時間や内容は通常のものと同じで結果の発表は3?5営業日後となります。
ペーパー方式
ペーパー方式は紙と鉛筆を使って古典的な方法で試験を受ける方式です。
ペーパー形式は紙の上に直接メモを取ることができるため、多くの受験者にとって親しみやすいものです。
試験の流れはリーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの順番で進められます。
結果の発表はやや遅く、試験日から13日後になります。
申し込み方法やキャンセル
IELTSの申し込みは公式サイトを通じて簡単に行うことができます。
受験者はテストセンター・日程・試験方式・モジュールを選ぶ際に、有効なパスポートの情報を提供する必要があります。
受験料の支払い後、キャンセルを希望する場合は手数料を差し引かれた額が返金されます。
スコアの有効期限
IELTSのスコアは受験日から起算して2年間の有効性を持ちます。
発表日ではなく実際に試験を受けた日から有効期間がスタートします。
再発行の希望も2年以内に限定されるため、計画的に受験と利用を行うことが大切です。
IELTSのバンドスコアとは?
- バンドスコア
- オーバーオール
IELTSは英語能力を正確に評価するための国際的に認知されているテストとして知られています。
一般的な合格・不合格の評価ではなく、独自のバンドスコア制度での評価が特徴的です。
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バンドスコア
IELTSの評価システムの核心ともいえるバンドスコアは1から9までの0.5刻みのスコアで、受験者の英語スキルを評価します。
バンドスコア9は英語技能をほぼ完璧な運用能力を示す最高評価です。
バンドスコア1は基本的な英語の理解がある程度で、スコアはリスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能ごとに与えられるため、強みや弱みを個別に確認することが可能です。
オーバーオール
オーバーオールは受験者の総合的な英語能力を示すためのスコアで、4つの技能のバンドスコアを平均化したものです。
各技能のバンドスコアを合計し、4で割った数値がオーバーオールのスコアとなります。
計算時の小数点以下の扱いに注意が必要で0.25未満は切り捨て、0.25以上0.75未満は0.5に、0.75以上は1つ上の整数に切り上げられます。
オーバーオールは特定の目的(学習・移住・職業など)での英語能力要件を満たしているかを判断する際の基準として利用されます。
IELTSのバンドスコア1〜9段階のレベルとは?
- IELTSバンドスコア〜6のレベル
- IELTSバンドスコア〜7のレベル
- IELTSバンドスコア〜8のレベル
- IELTSバンドスコア〜9のレベルバンドスコア〜9のレベル
IELTSの評価システムは1から9までのバンドスコアで受験者の英語能力を分類します。
各スコアがどれほどの英語レベルを示すのか、他の英語試験とどのように相関するのかを詳しく解説します。
目指すべきバンドスコアを確定する参考としてください。
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IELTSバンドスコア6のレベル
バンドスコア6レベルの受験者は基本的に英語を日常生活で運用できます。
しかし、時々誤解を招くような表現が混じることがあります。
日常的なシチュエーションでは多少複雑な文法や語彙を用いても問題なくコミュニケーションがとれるでしょう。
多くの英語圏の大学は最低基準として6.0あるいは6.5を要求しており、バンドスコア6に相当するのはおおよそ英検準1級やTOEFL iBTのスコア60〜93です。
IELTSバンドスコア〜7のレベル
バンドスコア7のレベルを持つ学習者は一般的に高度な英語能力を有しています。
たまに不正確な表現をすることはあるものの、日常的にも専門的な場面でも英語を効果的に使用できます。
バンドスコア7は英検1級やTOEFL iBTのスコア94〜109に匹敵し、多くの海外大学の大学院やMBAプログラムが求める基準となっています。
IELTSバンドスコア〜8のレベル
バンドスコア8の学習者はほとんどネイティブスピーカーのような英語運用能力を持っています。
多少の誤りはあるかもしれませんが、幅広い話題で英語を自在に操ることができます。
TOEFL iBTのスコア110〜117と同等のレベルと言えます。
バンドスコア8はトップレベルの学術機関や国際的なビジネスでの活躍を目指す際の目安となります。
IELTSバンドスコア〜9のレベル
バンドスコア9は英語の達人ともいえるレベルです。
全てのコンテキストで正確かつ流暢に英語を使用でき、4つの技能すべてでネイティブと変わらない能力を持っています。
バンドスコア9はTOEFL iBTのスコア118〜120に相当し、英語教育のエキスパート・翻訳家・国際的なビジネスリーダーなどが持っていることが期待されるレベルです。
IELTSの採点方法は?
- IELTSリスニングの採点方法
- IELTSリーディングの採点方法
- IELTSライティングの採点方法
- IELTSスピーキングの採点方法
IELTSは国際的に認知された英語能力テストであり、4つの技能(リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング)に基づいて採点されます。
4つのセクションは独自の評価基準を持ち、特定のスキルや知識の深さを測定するためのものです。
ここでは、各セクションの採点方法に焦点を当てて詳しく説明します。
IELTSのリーディング対策を徹底解説!初心者におすすめの勉強方法もご紹介
IELTSリスニングの採点方法
IELTSのリスニングテストでは40の質問が音声をもとに出題されます。
獲得した正解数に基づき、バンドスコアが決定されます。
例として40のうち16の正答があれば5.0、23の正答で6.0、30の正答では7.0というバンドスコアが得られ、35の正答で8.0のスコアが与えられます。
IELTSリーディングの採点方法
リーディングセクションも同様に40の質問が出題されますが、評価の基準はモジュールごとに異なります。
アカデミックモジュールでは40問中23問の正答が6.0のスコアとなります。
ジェネラルトレーニングでは30の正答で6.0のスコアが得られます。
IELTSライティングの採点方法
ライティング部分は4つの評価基準に基づき採点されます。
「課題の達成度」「一貫性とまとまり」「語彙力」「文法知識と正確さ」が評価基準です。
「課題の達成度」では文章が要求されたトピックに沿っているかが評価されます。
試験官は評価基準に基づき、公平かつ客観的に評価を行います。
IELTSスピーキングの採点方法
スピーキングセクションは話す能力を評価するための基準に沿って採点されます。
「流暢さと一貫性」「語彙力」「文法と正確さ」「発音」など、スピーカーのスキルや知識を測定するための評価項目があります。
評価基準を基に、対話の流暢さや内容の質などが評価されます。
IELTSの試験結果についての疑問
IELTSの試験結果は受験形式や目的に応じて異なる日程で発表され、結果に関する詳細や見方、有効期限や再採点の手続き等、多くの疑問が受験者から寄せられます。
以下では、主な疑問点について詳しく解説します。
試験結果はいつ?
IELTSの試験結果の発表日程は試験の形式によって異なります。
コンピュータ式は試験日の3-5日後、ペーパー式および英国ビザ申請用は試験日の13日後にオンラインで確認可能です。
試験結果の発表日程はオンライン上の仮の結果であり、正式な成績証明書はそれぞれの日程から数日後に郵送されます。
大学や移民局等の機関あてに、追加成績証明書を発行できる
IELTSの成績証明書の原本は多くの機関での提出が求められます。
受験者は希望する大学や移民局などの機関へ最大5通まで追加の成績証明書をテストセンターから直接送付することができます。
申請時に正確な住所の確認が必要です。
誤りがある場合やシステムにアクセスできない機関の場合は郵送されます。
IELTSバンドスコアの見方
IELTSのバンドスコアは4技能(リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング)毎に0から9の範囲で示され、成績証明書には各技能別のスコアと合計スコアが記載されます。
具体的なスコアの解釈については日本英語検定協会の公式文書やTake IELTS Webサイトで詳しく確認できます。
成績証明書の有効期限
IELTSの成績証明書の有効期限は通常2年間です。
2年間を超えると多くの機関では受理されません。
2年を超えて利用したい場合、英語力の維持や向上を証明する必要があります。
再採点について
試験結果に不満がある場合、6週間以内に再採点を申請できます。
再採点手続きは有料ですが、スコアが上昇した際には返金されます。
再採点結果の発表は3週間程度を要することが多いです。
国・大学別留学で求められるIELTSスコア
- イギリスの大学・大学院
- アメリカの大学・大学院
IELTSは国際的に認められる英語の能力を証明する試験として広く受け入れられています。
留学を希望する学生にとっては目指す大学や国によって必要とされるスコアが異なるため、事前の情報収集は不可欠です。
ここでは、特にイギリスとアメリカの大学・大学院での必要スコアを紹介します。
イギリスの大学・大学院
教育機関名 | 大学進学に必要なスコア | 大学院進学に必要なスコア |
---|---|---|
オックスフォード大学 | 7.0 | 7.5 |
ケンブリッジ大学 | 7.0 | 7.0 |
マンチェスター大学 | 6.0 | 7.5 |
リーズ大学 | 6.0 | 6.5 |
イギリスは古い歴史を持つ名門大学が多く存在する国です。
オックスフォードやケンブリッジをはじめとしたトップ大学では高いIELTSスコアが要求されます。
多くの学部で6.0~6.5のスコアが基準とされていますが、難関大学では7.0以上のスコアが必要とされる場合もあります。
大学院では一般に6.5~7.5の範囲でのスコアが求められますが、専攻やプログラムによってはさらに高いスコアが要求されることもあります。
アメリカの大学・大学院
教育機関名 | 大学進学に必要なスコア | 大学院進学に必要なスコア |
---|---|---|
ハーバード大学 | 7.0 | 7.0 |
マサチューセッツ工科大学 | 7.0 | 7.0 |
コロンビア大学 | 7.0 | 7.0 |
フロリダ大学 | 6.0 | 6.5 |
アメリカは広大な面積に多数の大学が点在する国です。
最近では多くの大学がIELTSスコアを入学の一部として認めており、受験者の英語力の証明としての価値が増しています。
一般的なアメリカの大学入学で求められるスコアは5.5~6.5の範囲です。
しかし、ハーバードやマサチューセッツ工科大学など世界的に有名な大学では、7.0以上のスコアが必要とされます。
大学院留学の場合、6.5~7.5のスコアが一般的ですが、専門分野や研究内容によってはさらに厳しいスコアが求められることも考えられます。
IELTSスコアを他の英語試験に換算
英語の試験としてIELTSは多くの国で認知されており、様々な機関や企業がその結果を参考にしています。
しかし、日本ではTOEIC・英検・TOEFL®などの試験が一般的でIELTSのスコアが具体的にどれくらいのレベルを意味するのか疑問に思っている受験者も多いでしょう。
ここでは、各英語試験スコアとIELTSの関連性や換算方法について詳しく解説します。
アメリカ留学にIELTSは必要?TOEFLとの違いを徹底解説!
IELTS/CEFR/TOEFL/TOEIC/英検のスコア換算表
IELTS | CEFR | TOEFL iBT® | TOEIC® | 英検 |
---|---|---|---|---|
9.0 | C2 | 120 | ー | ー |
8.5 | C2 | 115?119 | ー | ー |
8.0 | C1 | 110?114 | ー | ー |
7.5 | C1 | 102?109 | 970?990 | ー |
7.0 | C1 | 94?101 | 870?970 | 1級 |
6.5 | B2 | 79?93 | 820?870 | 1級 |
6.0 | B2 | 60?78 | 740?820 | 準1級 |
5.5 | B2 | 46?59 | 600?740 | 準1級 |
5.0 | B1 | 35?45 | 550?600 | 2級 |
4.5 | B1 | 32?34 | 500?550 | 2級 |
4.0 | B1 | 31 | 450?490 | 準2級 |
IELTSのスコアが他の試験と比較してどれほどのレベルなのかを知るための換算表を紹介します。
最初にCEFR(Common European Framework of Reference for Languages)という基準について理解する必要があります。
CEFRはヨーロッパが提唱する言語の習得状況を示す評価枠組みで、全6段階から成り立っています。
C2は最も高い段階で通訳や翻訳ができる能力を持つ者と評価されます。
TOEICの最高点990点はIELTSでは約7.5に該当するとされています。
一方、英検1級のスコアはIELTSでの6.5から7.0の間に換算されると言われています。
IELTSの最高スコアである9.0は他の試験と比較して非常に高いレベルを示すものとなっており、TOEICや英検のスコアでの換算は難しいとされています。
それぞれの試験の特性や焦点を当てるスキルが異なるため、換算表を参照する際はその点を十分に考慮することが必要です。
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